「家畜のアニマルウェルフェア」オンライン講演会
家畜動物の現状がますます残酷になり、家畜の動物福祉に対する認識が希薄になっていることを受け、2022年1月17日に、帯広畜産大学畜産学部准教授の瀬尾哲也氏を招き、家畜の動物福祉について詳しく紹介・解説する講座をオンラインで開催しました。講演が終了の後は、参加者との質疑応答が行われました。
家畜の生存現状
工場畜産とは、人工的に制御された環境における多頭飼育・過密飼育によって、消費者の需要に合わせた均質な生産物を、効率的に大量生産することを目的とした飼育方式である。
こうした飼育環境のもとで、牛や豚や鶏といった動物たちは、さまざまな危害を被っている。飼育の過程においては、狭い空間に詰め込まれた動物たちは、体を動かす自由が制限されることに伴うストレスや、急激に体重を増加させられることに起因する疾病や負傷などに苦しんでいる。また屠殺の際には、屠殺場への輸送中に被る苦痛や、屠殺場で感じる恐怖、殺害に伴う痛みなどによって、動物は苦しむことになる。
「動物愛護管理法」とは何ですか?
(目的)
第一条 この法律は、動物の虐待及び遺棄の防止、動物の適正な取扱いその他動物の健康及び安全の保持等の動物の愛護に関する事項を定めて国民の間に動物を愛護する気風を招来し、生命尊重、友愛及び平和の情操の涵養に資するとともに、動物の管理に関する事項を定めて動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害並びに生活環境の保全上の支障を防止し、もつて人と動物の共生する社会の実現を図ることを目的とする。
(基本原則)
第二条 動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。
2 何人も、動物を取り扱う場合には、その飼養又は保管の目的の達成に支障を及ぼさない範囲で、適切な給餌及び給水、必要な健康の管理並びにその動物の種類、習性等を考慮した飼養又は保管を行うための環境の確保を行わなければならない。
講演会: